浴衣?着物?落語を聴きに行くのに適しているのはどっち?




夏ですお盆です夏休み興行です。

定席がある各寄席では、夏休み特別企画が用意されています。企業もお休みになるところも多く、寄席は正月興行に続いての稼ぎどき。興味深い企画が目白押しです。

せっかくの夏休みですし、浴衣でお出かけしたい!あわよくばお目当の噺家に浴衣姿を見て欲しい!という落語女子も多いでしょう。
そんな女子が必ず一度は持つ疑問、浴衣と着物、どっちがよいの?にお答えします。

恋と花火と浴衣割引の季節がやってきました

通年は着物のみの割引の寄席でも、夏になると浴衣も割引対象となります。浴衣割引を行っているところは、公式サイト調べによると浅草演芸ホールと鈴本演芸場です。
甚平・作務衣以外の和服・浴衣の場合、500円の割引となります。これは和服で来ると良いことあるかもね!ってことです(飛躍)。


なぜ甚平と作務衣はダメなのかというと、これらは外出着ではなくくつろぎ着や作業着であり、洋服で言う所のスウェットやジャージのようなものだからです。
浴衣も湯上がりに着るものなので、下手するとバスローブみたいなものなのですが、最近では浴衣も外出着となっているため良しとされているのだと思います。

実際、浅草などでは初夏のまだ寒いだろって頃から浴衣で歩く女子がいます。気軽に着ることのできる和服が浴衣というところで、和服イコール浴衣と思っている若いお嬢さんも多いかもしれません。

今やタウン着に昇格した浴衣だもの 寄席に浴衣はありじゃない?

そんなわけで、この季節になると論じられるのが「浴衣で行くのはどこまでオッケーなのか」問題です。
最近では、デパートの浴衣売場でも「コンサートにお食事に浴衣でおしゃれ」とか言い出していて驚きますが、「浴衣イコール湯上り着」はナンセンスになっているのかなという印象がします。
ただ、先日ライティングを請け負ってるメディアで「特集!浴衣で歌舞伎座GO!」とか言い出してBBAは止めました。あの企画を強行したのなら、いろんな意味で褒め称えたい。

確かに、女子の浴衣は華やかです。
しかも、浴衣は女子を通常の可愛さ3割り増しとなるようです。

だったら寄席に浴衣で行っても問題ないじゃん?となります。もちろん、浴衣割引があるくらいですから全然悪くはないです。夜の寄席であれば全く問題ないと思います。可愛いですし。可愛いは正義です。

しかし、昼席の寄席やレストランで、妙齢の女性の浴衣姿を見かけると、やはり「あらら」となります。
そうです。哀しい哉、昼間の外出や公共の場への浴衣姿には「年齢制限」があるのです。

30歳を超えたらしっとり粋な着物で目立ちたい

結論から言うと、20代は浴衣でおっけー、30歳超えたら夏着物がベターです。
20代女子といろいろな事情で差をつけたいのなら、寄席には浴衣でなく、しっとり夏着物で行きましょう。

なぜかというと、浴衣は柄や素材によっては安っぽく貧相に見えてしまうからです。それ着てくるならユニクロのワンピースでいいよと突っ込みたくなるレベルです。

若いなら、「かわいいねー」で許されますが、30を越えると安っぽい(ぽく見える)浴衣姿は「マナーを知らない」となってしまう危険性もあります。
浴衣は肌に直接身に付けるもので、角度や見方によってはしどけないものです。下駄なので、カラコロという音も気になりますね。

浴衣が着つけられるのなら、着物だって問題なく着付けられます。帯は、名古屋帯などでお太鼓を作ると暑いのと、後ろの人に迷惑なので(椅子に浅く腰掛けなくてはならないので)、半幅帯のカルタ結びで十分です。
着物が難しいと思うのなら、浴衣を着物風に着付けてみましょう。なんちゃって肌襦袢も売ってます。半襟をつけて足袋を履くだけで着物風に見えますし、品もよくなります。

また、着物をお召しになっているという見た目だけで得をします。
妙齢の方が着物でいらっしゃると、受付でも客席からも「誰の贔屓さんかな」とか「どこの師匠のお気に入りかな」という目で見られます(というか、私がそう見るので)。末廣亭では、お茶子さんが席まで丁寧にご案内してくれます。
着物をきちんと着ているだけで、対応が違うのです。

どうでも良い情報ですが、噺家の目に止まろうと思ったら高座の正面ではなく、若干後ろの高座に向かって右端に座ると目に止まりやすくなります。
これは、噺家は正面を切るよりは、上下(カミシモ)を振って噺をするからなんですねーφ(・ω・ )。

着物・浴衣の柄や帯はどうするの?

10代や20代前半の方なら「プリント!」という浴衣でも問題なさそうですが、25歳超えたら布地がしっかりしていて柄もシックなものがよいでしょう。浅草のレンタル着物屋で吊るしてそうな浴衣は、華やかですけど年齢を選びます。
新しく浴衣を用意するなら、涼しくなる織加工や素材のもので着物風にも着られるものがよいでしょう。

「いっそのこと着物にするぜ!」という男前な方は、ヤフオクなどで安いリサイクル着物から始めるのがよいです。
いきなり誂えたりすると、今度はきちんとした着付けをせねばならん、帯もすごいのにせねばならんと、結婚式か!くらいに金がかかります。

寄席に行くくらいなので、最初は練習用としてリサイクル着物からトライしてみましょう。
どうしても新品がよいという方は、通販のセットを利用してみては。新品の浴衣と同じくらいのお値段でセット売りされてます。

夏の着物は、紗か絽です。紗は驚きの透け具合なので、絽が着やすいでしょう。リサイクルの中にはサマーウール素材があります。すべらないので着付けし易い上に、汚れても洗えるので便利です。
ポリエステルの洗える着物でもよいですが、あれはめっさ暑いです。炎天下の外をうろうろしないのなら、ポリは洗濯機で洗えて気軽です。

帯は、お太鼓だとつぶれないように椅子に浅く腰掛けることになるため、「高座が見えねえ」と後ろの人から舌打ちされるかもしれません。寄席は長い間座っているものなので、半幅帯が楽チンです。
かといって、浴衣のセットについてくるワンタッチ帯ではなく結べるタイプの帯にしましょう。結び方を覚えるといろいろアレンジできるので、何本か持っていると重宝します。


30代女子が夏の寄席にデビューするのなら、着物推しです。特に、夜の寄席がはねた後は噺家と打ち上げという夢のようなチャンスもあります。また、楽屋を訪問する場合も、浴衣より着物の方が断然ベターです。
「寄席に着物女子」は、一部のサイトであれやこれや言われているかもしれませんが、ニワカ落語女子がTwitterやインスタに上げる半裸のセクシーアピール(昭和か)の出で立ちよりも、着物や浴衣の方が堂々としていて、女っぷりが上がります。通にも見えます(これ大事)。

着物で寄席デビュー、お江戸両国亭で会いましょう。

あ、両国亭では着物浴衣割引はありません。やると木戸銭がなくなってしまうからです。
その代わり、大切に扱ってくれます。