初めての落語デート!おすすめ演芸場4つ





「落語デート」が流行っているんだそうで、カップルは「風呂敷」とか「紙入れ」とか「お見立て」なんて噺をどんな思いで聴いてるんだろうかと下世話な心配をしています。

落語も大人のたしなみということで、ちょっと落語をかじった男子が「俺、落語最近きいてんだよね」とかドヤ顔で言って連れ出すのか、「落語はやってるんだってーきいてみたーいでも一人ではいれなーい」という女子がおねだりするのかはわかりませんが、寄席がハねたあとに

「指と指が触れて…手と手が触れて…周りにはだあれもいないふたりっきり、顔を上げるとふるいつきたくなるような、いぃーーーーーーーっぃい女(がば)」

と「短命」ごっこをしたり、

「わたしのお酌じゃ美味しくないかもしれませんけど、外は外、うちはうち、一杯だけ召し上がっておやすみになったらいかが?」

と「替わり目」ごっこでいちゃつくには良いかもしれません。

というわけで、前置きが長くなりましたが、初めての落語デートにおすすめの4つの演芸場です。
みんなが知っている定席以外の、通向けの寄席もご紹介。チョイスと説明は、主観です。



末廣亭

新宿三丁目にある、ご存知「末廣亭」。
イマドキのイケメン噺家ユニットの成金メンバーも上がる定席です。

デートをするのなら夜席がよいでしょう。
新宿の妖しさに末廣亭の外観が相まって、雰囲気抜群です。
一席が10分から15分ととても短く、たくさんの噺家さんが上がるので、漫才のテンポに慣れている人も抵抗なく聴けます。

寄席が終わったあとのお楽しみも、いろいろ選択肢があるので、良いと思います。

http://www.suehirotei.com/

浅草演芸ホール

休日の昼に行くのなら、浅草演芸ホール。
下町の笑いの文化が息づく、賑やかで明るい雰囲気の寄席です。常連のおっさんがよく寝てます。たまに、修学旅行生も来ています。

受付には看板猫のジロリくん。ネズミ警備員だそうです。
一席が短めなので、飽きずに楽しめます。人気の噺家の出番も多いので、知っている噺家さんを見つけやすいでしょう。

寄席が終わった後は浅草散策。芸人や噺家御用達のお店もたくさんあります。一日中楽しめるスポットです。

http://www.asakusaengei.com/

お江戸広小路亭「しのばず寄席」

近所にはライバル「鈴本演芸場」がありますが、通は敢えて「しのばず寄席」へ。
こちらは、不動産の永谷商事が席亭を務めている寄席で、365日ではありませんが寄席形式の演芸を行っています。
出演の噺家は、通常の定席には出演しない立川流や五代目円楽一門会が中心。落語の他にも、講談や色物ありの多彩な顔ぶれです。

一席は20〜30分とたっぷり。定席では絶対に聞けないような根多を聴くことができます。たまに本編よりも枕の方が長い場合もあります。たまに穴が空くと、前座さんが2席やったりします。
全体的にゆるい昔ながらの雰囲気が漂う寄席です。楽屋の狭さに定評があります。

お江戸広小路亭の特徴は、その独特な公民館感。
階段を上がって、不安になった頃にホールの入り口があります。公民館のホールの入り口の扉のようなものを開けると、公民館のホールのような空間が現れます。

高座の目の前は座椅子にくたびれた座布団、後ろはパイプ椅子席です。
カップルシートという名の、病院の待合室にあるようなソファが壁際にあり、くたびれ果てた座布団が「ここは座るところですよ」と主張します。

しかし、ひとたび落語が始まると、マイクなしの生声で聴く落語の臨場感に引き込まれるでしょう。
客席との距離がとても近いので、誰もが常連さん気分を味わえます。

終わった後はアメ横の散策も良し、ちょっと歩くと根津の町に出ます。地下鉄で千駄木まで出れば、大人の谷根千デートも楽しめます。

櫻庭のイチオシ寄席です。大好きです。

http://www.ntgp.co.jp/engei/ueno/index.html

お江戸両国亭 両国寄席

誰も落語デートにチョイスしてくれないので紹介するのではありません(力説)。両国観光の後のデートの後にはもってこいの寄席です。超穴場です。

永谷商事が運営する「両国亭」で行われている両国寄席。こちらは、五代目円楽一門会の自主興行寄席です。
従って入場料は1500円。噺家と知り合いになると1000円で入れます。お声がけください。

総武線、または大江戸線両国駅から徒歩5分の場所にある両国亭は、国技館がある側と反対側の若干寂しい方の出口から向かいます。
なんとなく、こっちで良いんだろうかと不安になった頃に、ぼんやりと看板に明かりが灯っているのが見えてきます。近くになってようやく「両国亭」と書かれていることがわかります。それです。

開場時間には、前座が表で「どんとこい」と一番太鼓を叩いているのをみることができます。ぜひ、開場時間においでませ。

受付にいるのは、なんと前座さんです。
入場料を払って中に入ると、めっさ空いているか、めっさ混んでいるかのどちらかです。
六代目円楽師匠が出演するときは、立ち見です。何時ぞやの錦糸町事件の直後は、札止めにせずに100人無理やり入れたそうです。なにも見えずに、前のお姉さんのうなじだけ見てました(行ったし)。

会場はというと、どこぞの公民館の会議室に高座があるという風情。もともと銀行だったそうで、真ん中にある邪魔なでかい柱は、今や両国亭の名物と化しています。

五代目円楽一門会の噺家の他に、芸協や立川流からのゲスト出演もあり、色物も入ります。
一席20分前後のたっぷり目で、じっくりと落語を聴くことができますよ。
自主興行ならではの、絶対に寄席じゃかけられない噺や、放送では自粛される昔のままの言葉も出てきます。
本当の意味での、生の落語を聴くことができる寄席です。

ほぼ常連だらけですが、批評家やその道のプロの方、研究家の方もお見えになっているようです。最近は、通な落語女子もよくお見えになります。
小さい寄席なので、「今日は落語が初めてなんです」と前座さんにお声がけいただくと、噺家さんたちがよってたかって初心者向けの噺や説明の枕をふります。漂う身内感は、行ったその日から常連気分にさせてくれるでしょう。

お昼は両国観光で、夕方は両国寄席へ。
回向院で勝負運をねずみ小僧にお願いして、忠臣蔵で赤穂浪士たちが主君の仇を討った吉良邸跡へ。おみやげは、吉良邸側の大川屋で「吉良まんじゅう」、とし田の「力士どらやき」が両国らしくてオススメです。

http://www.maroon.dti.ne.jp/tonraku/ryougokubanngumi

この他、円楽一門会では亀戸梅屋敷でも梅屋敷寄席を行っています。
平日昼間の興行なので、デートには使いづらいかもしれませんが、亀戸天神や香取神社、江戸切子の体験アトリエが近所にあり、平日のお昼ののんびりデートコースにもってこいです。

http://www.kameume.com/


寄席というのは、もともと悪場所と言われていた場所で、女子が好むようなおしゃれな空間ではまるでありません。
最近は女性客も増えてきたので、少し気をつけ始めた演芸場もありますが、広小路亭や両国亭のように、何も考えていない、考えても造花を壁に貼るくらい(しかも夏も過ぎたのにまだ桜)というところも多くあります。

そんなところも含めての寄席文化です。ちっともインスタ映えしない、笑いのある落語デートをお楽しみください。