速記本の金字塔「百花園」
落語の歴史にに「百花園」あり。百花園は、明治22年に発刊された、落語講談の速記専門誌である。
付喪神はモノにつく物の怪らしいのだけど、モノが妖怪に変化するといったこともあるらしい。骨董の類には魑魅魍魎が宿るらしく、さて、それは物の怪か、人の欲か。
大河ドラマ「青天を衝け」に加え、2024年度には新紙幣の顔になることもあり、日本国中が渋沢栄一フィーバーである。 大河になるという前に東京商工会議所で記者の仕事をしたのだが、会頭が渋沢栄一の資料をみながら逸話を教えてくだ...
現代に継承されている古典落語が、江戸をつい一昔としていた噺家たちがどのような言葉を使い、現代に至るまでに何がどう変化してきたのか。この謎を解くひとつの資料として、落語速記がある。
戦後から昭和30年代に出版された落語速記本には、編著として今村信雄氏が関わっているものが多い。今村信雄氏は速記者であり落語研究家だ。昭和初期から戦後、多くの噺家たちと親しく交流し、東京落語の理念を追求する明治38年発足の...