大晦日の夜

大晦日と言っても、子どもたちは独立してめいめいに過ごしているし、私は年中原稿に追われているし、楽松は正月から寄席だしで、うちにとって大晦日は、過ぎ行く日々の中の1日である。

正月は、寄席ではみなさん飲んだくれていて、贔屓様もいらっしゃり賑やかで、なんとなく晴れやかであり、あの雰囲気はとても好きだ。そうであっても、大晦日は正月の前日であり、今もこうして、資料読んで見出し構成している息抜きに、日記など書いている。

昨年は年末に本を出して、出版に係る忙しさがあったが、今年は来年出版予定の原稿を死に物狂いで書かねばならないので、焦燥感半端ない。心が忙しいというのだろうか。
だったら早よ書けというところなのだけど、うまくいかないものですなあ。

昨年の初めに買った、江戸期のエロ本全集をまったく読めないまま年を越そうとしている。
なぜエロ本なのかというと、エロとグロと怪異には、民衆の思想が詰まっているからと信じているからである。

サブカルにはその時代の叫びがある。
そう信じて艶雑譚を集めた秘本を入手したのだが、ほぼほぼ読めていない。来年こそは時代背景や流行を絡めながらいろいろと知識をつけたい。

落語速記も読みたい。現在の演じ方との違いや当時の事件や流行、思想と絡めて読みたい。
しかしこれらは、執筆を終えねば手が付けられない。出版を終えてからの夏以降の楽しみにしておこう。(去年もそうやって速記もエロ本も読めなかった)

楽松が、夕ご飯は鍋で、蕎麦を食べたら近所の神社に行くよと言いに来た。
来年も、よろず上手く回りますように。